積立NISAとは?

積立NISA(つみたてNISA)は、少額からの長期・積立・分散投資を支援する非課税制度です。日本政府が「資産所得倍増プラン」の一環として導入した制度で、2018年からスタートしました。

1. 積立NISAの基本的な仕組み

通常、投資信託などの金融商品を購入すると、利益に対して約20.315%の税金がかかります。しかし、積立NISAでは年間の投資枠内で購入した金融商品の運用益が非課税となります。

2. 積立NISAのメリット

積立NISAの主なメリットは以下の通りです。

(1) 運用益が非課税

通常、投資による利益(売却益や分配金)には税金がかかりますが、積立NISAでは20年間非課税です。

(2) 少額から投資が可能

最低100円からの少額投資が可能で、長期間にわたってコツコツと積み立てることができます。

(3) 投資対象が厳選されている

金融庁が認可した「長期・積立・分散投資」に適した投資信託のみが対象となるため、初心者でも安心して運用できます。

(4) 途中売却も可能

積立NISAは基本的に長期投資向けですが、必要に応じて途中売却も可能です。

3. 積立NISAのデメリット

メリットが多い積立NISAですが、デメリットもあります。

(1) 年間投資枠の制限

積立NISAの投資枠は年間40万円まで(2024年からは新NISA制度により変わる)。そのため、一度に大きな投資をしたい人には不向きです。

(2) 個別株は対象外

積立NISAで購入できるのは、金融庁が選定した投資信託やETFのみで、個別株には投資できません。

(3) 損益通算や繰越控除ができない

通常の課税口座(特定口座など)では、投資で損失が出た場合、他の投資利益と相殺(損益通算)したり、翌年以降に損失を繰り越したりできます。しかし、積立NISAではこれができません。

4. 積立NISAの対象商品

積立NISAで投資できるのは、以下のような条件を満たした商品です。

• 販売手数料が無料(ノーロード)

• 信託報酬(運用コスト)が低い

• 毎月分配型ではない

• 一定の資産形成に適した設計(インデックス型中心)

主な対象商品

インデックス型投資信託(S&P500、全世界株式、先進国株式など)

アクティブ型投資信託(金融庁が認めた低コスト・長期運用向きのもの)

5. 積立NISAの活用方法

初心者が積立NISAを活用する際のポイントを解説します。

(1) 長期投資を意識する

積立NISAは20年間の非課税期間があるため、短期の値動きに惑わされず、長期的な視点で運用することが重要です。

(2) ドルコスト平均法を活用する

積立NISAは毎月一定額を投資するため、価格が高いときには少量、価格が安いときには多く購入できる「ドルコスト平均法」の効果が得られます。

(3) 分散投資を意識する

全世界株式、米国株式、日本株式など複数の市場に投資できる投資信託を組み合わせると、リスクを分散できます。

(4) ライフプランに合わせた運用を

20年後に何のために使う資金なのかを考え、それに適したリスク許容度で運用を行うことが大切です。

6. 積立NISAと新NISA(2024年以降)の違い

2024年から「新NISA制度」がスタートし、以下のような変更が行われます。

項目 旧積立NISA(2023年まで) 新NISA(2024年以降)

年間投資枠 40万円 120万円

非課税期間 20年 無期限

投資可能商品 投資信託・ETF 投資信託・ETF

つみたて投資枠 40万円 120万円

成長投資枠 なし 240万円(個別株OK)

生涯投資枠 なし 1800万円

新NISAでは、積立投資枠と成長投資枠が併用できるため、より柔軟な投資が可能になります。

7. 積立NISAの始め方

積立NISAを始める手順は以下の通りです。

(1) 証券会社を選ぶ

積立NISAを取り扱っている証券会社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)から選びます。

(2) 口座開設の申し込み

ネットで申し込み後、本人確認書類を提出し、審査を通過すれば口座開設が完了します。

(3) 投資信託を選ぶ

自分の投資目的やリスク許容度に合った投資信託を選びます。初心者には全世界株式やS&P500に連動するインデックスファンドが人気です。

(4) 積立設定を行う

毎月の投資額や引き落とし方法を設定し、自動積立を開始します。

8. 積立NISAのおすすめ投資信託

以下のような投資信託が積立NISAでは人気です。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

9. 積立NISAはどんな人に向いている?

積立NISAは、以下のような人に向いています。

✅ 投資初心者(リスクを抑えながら長期的に資産形成が可能)

✅ コツコツ貯めたい人(毎月少額から積み立て可能)

✅ 節税しながら運用したい人(運用益が非課税)

10. まとめ

積立NISAは、長期・積立・分散投資を通じて資産形成を支援する制度であり、税制優遇もあるため非常に魅力的な制度です。特に初心者や少額投資から始めたい人にとって、有力な選択肢となるでしょう。

2024年からの新NISA制度では、さらに柔軟な運用が可能になるため、早めに積立NISAを活用し、資産形成を始めるのがおすすめです。

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